日本一やさしい就活スクール『ゼロカラ』｜ミリオンキャリア事務所

過去に相談に来てくださった、中村亜希子さん（仮名・当時大学３年生）のお話です。

初めての面談のとき、中村さんは次のように話してくれました。
「これまで周りの意見に従って生きてきました。これからは“自分は自分”と言えるようになりたいです。」

最初の頃、中村さんは自信が持てず、なかなか行動にうつせませんでした。
そこで、まずは自分にできそうな仕事を一緒に話し合い、いくつか企業をピックアップしました。
次に、お試し感覚で説明会に参加してみることになりました。
その後も面談を重ね、方向性や活動の進め方をその都度確認していきました。

初めは選考落ちを何度も経験し、モチベーションが下がることもありました。
そのたびに一緒に振り返りを行い、選考のやり方の改善点を話し合いました。
そのうちに、ESや一次面接はほぼ通過できるようになりました。

ある日、面談を始めると、彼女の表情が暗いことに気づきました。
どうしたのか尋ねると、彼女はこう言いました。
「面接って、なんでこんなに嘘つかなきゃいけないんですかね…？」

「私は普段からドジで、バイトでも他の人よりもたくさんミスしてしまいます。応募先の仕事も、本当に自分にできるのか不安です。それなのに、面接では“私にはできます！大丈夫です！”とアピールしなきゃいけない。内定を持っている友達からそう言われました。本当の私はそうじゃないのに…。」

詳しくうかがっていくと、たしかに中村さんは、これまでバイト先でたくさんミスをしてきたそうです。ただ、彼女のすごいところは、ミスをするたびに、毎晩家でノートに対策を考えてメモしていたことです。そうすることで、実際にミスも減っていったそうです。

『他の人よりもドジでミスは多いけど、どうしたらよくなるかその都度考えて、改善して、成長していくことができる』
これこそが、中村さんの素の長所であり、人間的な魅力の一つでした。

私は彼女へ、次回の面接からは「できます」「大丈夫です」と無理にアピールすることやめること、代わりにこの長所をそのまま面接官へ伝えることを提案しました。

２週間後、彼女はすっきりした表情で「面接で自分を偽る苦しさがなくなりました。ありのままの自分を出せるようになりました」と話してくれました。
その後、彼女は志望度の高かった企業２社から内定を得ることができました。

何度もお話し、本人にとっての２社のメリットデメリットを整理しました。
内定の返事を待ってもらう方法なども考えました。

最終的に、中村さんは自分自身で、納得して入社する企業を決断することができました。
「正直、今もときどき不安になることもありますが、“自分の選択だから大丈夫！”と最後にはいつも思うことができます。」

そこには、“自分は自分”と言えるようになった中村さんがいました。
初めて相談に来てくれた時とは別人のようでした。

私にとっては、すべてが報われた瞬間でした。
支援者である私も、胃が痛くなること、役に立てているのか自問自答して自分の力不足を痛感し、打ちのめされることが何度もあります。
それでもこのような瞬間に立ち会えるから、この仕事を続けられています。（就活転職カウンセラーあべっち）